Amazon Managed Blockchain で構築するプライベートブロックチェーン - Hyperledger Fabric の運用
Managed Blockchain による Hyperledger Fabric ネットワークの構築、チェーンコードの開発、メンバー管理とガバナンスを解説します。
Managed Blockchain と QLDB の使い分け
この記事は約 3 分で読めます。 Managed Blockchain は Hyperledger Fabric のマネージドサービスで、複数の組織が参加するプライベートブロックチェーンネットワークを構築します。QLDB が単一組織内での改ざん不可能な台帳を提供するのに対し、Managed Blockchain は複数組織間での分散型の信頼を実現します。サプライチェーンで複数の企業が取引履歴を共有する場合、金融機関間で決済記録を共有する場合、医療機関間で患者の同意記録を共有する場合など、参加者間の信頼を中央管理者なしで確立する必要があるユースケースに適しています。
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ネットワーク構築とチェーンコード開発
ネットワークの作成はコンソールまたは API で行い、フレームワーク (Hyperledger Fabric)、エディション (Starter または Standard)、投票ポリシーを指定します。メンバーを作成するとピアノードと CA が自動的にプロビジョニングされます。チェーンコードは Hyperledger Fabric のスマートコントラクトで、ビジネスロジックを定義します。Go、Node.js、Java で開発でき、ピアノードにインストールしてチャネル上でインスタンス化します。チェーンコードはトランザクションの検証ルール、データの読み書きロジック、アクセス制御を実装します。開発環境では Hyperledger Fabric のローカルネットワークでテストし、検証後に Managed Blockchain にデプロイするフローが推奨されます。
ガバナンスと運用
Managed Blockchain の投票ベースガバナンスでは、新しいメンバーの追加やメンバーの削除をネットワーク参加者の投票で決定します。投票ポリシーは過半数、全会一致、特定の割合から選択できます。各メンバーは独自のピアノードを運用し、チャネルを通じてデータを共有します。チャネルはメンバーのサブセットで構成でき、特定の取引を関係者のみに限定できます。ピアノードのスケーリングはインスタンスタイプの変更で行い、トランザクション量の増加に対応します。CloudWatch メトリクスでトランザクションのコミットレイテンシとスループットを監視し、パフォーマンスの劣化を早期に検知します。
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まとめ
Managed Blockchain は複数組織間のプライベートブロックチェーンをマネージドに運用するサービスです。Hyperledger Fabric のインフラ管理を AWS に委託し、チェーンコードの開発とビジネスロジックに集中できます。複数組織間での分散型の信頼が必要なユースケースに有効です。
AWS の優位点
- Hyperledger Fabric のネットワーク作成、ピアノードのプロビジョニング、CA (認証局) の管理を AWS が自動化する
- チェーンコード (スマートコントラクト) を Go、Node.js、Java で開発し、ピアノードにデプロイして実行できる
- 投票ベースのガバナンスでメンバーの追加・削除をネットワーク参加者の合意で決定できる
- Amazon QLDB と比較して、複数組織間での分散型の信頼が必要なユースケースに適している
- CloudWatch との統合でピアノードのトランザクションスループット、レイテンシ、ストレージ使用量を監視できる