コスト削減戦略 - Savings Plans と Reserved Instances の比較と選択

AWS Savings Plans と Reserved Instances (RI) の仕組み・割引率・柔軟性を比較解説。Compute Savings Plans・EC2 Instance Savings Plans・SageMaker Savings Plans の使い分けと購入戦略を紹介します。

コミットメント割引の基本概念

AWS の料金モデルでは、オンデマンド料金が基本ですが、一定期間の利用をコミットすることで大幅な割引を受けられます。コミットメント割引には Savings Plans と Reserved Instances (RI) の 2 つの仕組みがあります。RI は 2009 年から提供されている従来型の割引で、特定のインスタンスタイプ・リージョン・テナンシーを指定して予約します。Savings Plans は 2019 年に導入された新しい割引モデルで、1 時間あたりの使用金額 (USD/時) をコミットする方式です。たとえば「1 時間あたり 10 USD のコンピュート使用をコミットする」と宣言すると、その金額分の使用に対して割引が自動適用されます。Savings Plans は RI と比較して柔軟性が高く、AWS は新規のコミットメント割引として Savings Plans を推奨しています。ただし RI が廃止されたわけではなく、特定のユースケースでは RI の方が高い割引率を得られる場合もあります。

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Savings Plans の 3 タイプ

Savings Plans は 3 つのタイプを提供します。Compute Savings Plans は最も柔軟なタイプで、EC2 インスタンス、Fargate タスク、Lambda 関数に横断的に適用されます。インスタンスファミリー、サイズ、リージョン、OS、テナンシーを自由に変更しても割引が継続します。割引率はオンデマンド比で最大 66% です。EC2 Instance Savings Plans は特定のリージョンとインスタンスファミリー (例: ap-northeast-1 の m5 ファミリー) にコミットする代わりに、最大 72% の高い割引率を提供します。同一ファミリー内のサイズ変更 (m5.large → m5.xlarge) や OS 変更は自由です。SageMaker Savings Plans は SageMaker のインスタンス使用に特化したタイプで、ML ワークロードのコスト最適化に使用します。コミットメント期間は 1 年または 3 年で、支払いオプションは全額前払い (最大割引)、一部前払い (中間)、前払いなし (最小割引) の 3 種類です。3 年・全額前払いが最も高い割引率を得られますが、柔軟性とのトレードオフです。

RI との比較と使い分け

Savings Plans と RI の主な違いは柔軟性と割引率のバランスです。RI はインスタンスタイプ (Standard RI) またはインスタンスファミリー (Convertible RI) を固定するため、ワークロードの変化に対応しにくい反面、Standard RI は最大 72% の割引率を提供します。Convertible RI は交換可能ですが割引率は最大 66% に下がります。Savings Plans の Compute タイプは RI の Convertible と同等の割引率ですが、リージョンやサービス (EC2/Fargate/Lambda) をまたいで適用できる点で優れています。実践的な使い分けとして、24/7 稼働する本番 DB サーバーなど確実に使い続けるインスタンスには EC2 Instance Savings Plans (または Standard RI) で最大割引を狙い、開発環境やバッチ処理など構成が変わりうるワークロードには Compute Savings Plans で柔軟性を確保する戦略が有効です。Savings Plans と RI は併用可能で、割引の適用順序は RI → Savings Plans の順です。

購入戦略と Cost Explorer の活用

Savings Plans の購入で最も重要なのは、適切なコミットメント額の決定です。Cost Explorer の Savings Plans 推奨機能は、過去 7 日・30 日・60 日の使用パターンを分析し、最適なコミットメント額と推定削減額を自動算出します。推奨に従って購入するのが最も安全ですが、いくつかの注意点があります。まず、過去の使用量が将来も継続する前提であるため、大幅なワークロード変更が予定されている場合は推奨値を調整する必要があります。次に、コミットメント額の 100% を一度に購入するのではなく、70〜80% 程度から始めて段階的に追加購入するアプローチが安全です。未使用のコミットメント分は無駄になるため、控えめに始めることが重要です。Savings Plans の使用率とカバレッジは Cost Explorer と Budgets で継続的に監視します。使用率が 100% を下回っている場合は過剰購入、カバレッジが低い場合は追加購入の検討が必要です。

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まとめ - コミットメント割引の選択指針

AWS Savings Plans は、柔軟性の高いコミットメント割引モデルとして、RI に代わるコスト削減の主力手段です。Compute Savings Plans は EC2・Fargate・Lambda に横断的に適用でき、ワークロードの変化に強い柔軟性を持ちます。EC2 Instance Savings Plans は特定のインスタンスファミリーに限定される代わりに高い割引率を提供します。Cost Explorer の推奨機能で最適なコミットメント額を算出し、70〜80% から段階的に購入するアプローチが安全です。オンデマンド料金で月額 1,000 USD 以上の EC2/Fargate/Lambda 使用がある場合、Savings Plans の導入を検討する価値があります。

AWS の優位点

  • Compute Savings Plans は EC2・Fargate・Lambda に横断的に適用され、インスタンスファミリー・リージョン・OS を変更しても割引が継続 (最大 66% 割引)
  • EC2 Instance Savings Plans は特定リージョン・インスタンスファミリーに限定される代わりに最大 72% の高い割引率を提供
  • RI (Reserved Instances) と比較して Savings Plans は柔軟性が高く、ワークロードの変化に対応しやすい
  • 1 年または 3 年のコミットメント期間を選択し、全額前払い・一部前払い・前払いなしの 3 つの支払いオプションから選択
  • Cost Explorer の Savings Plans 推奨機能で、過去の使用パターンに基づく最適なコミットメント額を自動算出
  • Savings Plans と RI は併用可能で、安定したベースラインに RI、変動する部分に Savings Plans を適用する戦略が有効
  • Azure Reservations と Azure Savings Plan for Compute も同様の仕組みだが、AWS の Savings Plans は Lambda と Fargate にも適用される点が差別化要素

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