クラウドの概念
このドメインで学ぶこと
このドメインでは、クラウドコンピューティングとは何か、オンプレミスとの違い、AWS のグローバルインフラ (リージョン、アベイラビリティーゾーン、エッジロケーション) の関係、クラウドが提供する 6 つの利点、そして Well-Architected フレームワークやクラウド移行の考え方 (CAF、移行戦略) を学びます。CLF-C02 の出題の約 4 分の 1 を占める基礎的かつ重要なドメインです。
重要ポイント
- クラウドコンピューティングは「インターネット経由で必要な分だけ IT リソースを利用する」モデルである
- クラウドの 6 つの利点 - 初期投資不要、規模の経済、キャパシティ予測不要、俊敏性、データセンターの運用・保守への支出をやめビジネスに集中できること、グローバル展開の容易さ
- リージョンは地理的に独立した AWS 拠点、アベイラビリティーゾーン (AZ) はリージョン内の物理的に離れたデータセンター群
- エッジロケーションは CloudFront などコンテンツ配信のための分散ポイントで、ユーザーに近い場所でレイテンシを下げる
- スケーラビリティ (容量を増減できる能力) と弾力性 (需要変動に自動追随する能力) を区別できる
- 高可用性は「サービスが止まりにくい」性質、耐障害性は「障害があっても処理を継続できる」性質
- Well-Architected フレームワークの 6 本の柱 - 運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、持続可能性
- クラウドの経済性 - 設備投資 (CapEx) を運用費 (OpEx) に転換できる。一部をオンプレミスに残す構成はハイブリッドクラウド
- クラウド移行の道筋 - AWS CAF で組織の準備状況を評価し、移行戦略 (7 つの R) から方式を選ぶ
用語と概念
クラウドコンピューティング
インターネット経由で IT リソース (サーバー、ストレージ、データベース等) を従量課金で利用する仕組みです。物理的なハードウェアを自分で所有・運用する必要がなく、必要な時に必要な分だけ使えます。
弾力性 (Elasticity)
需要の増減に応じてリソースを自動的に拡張・縮小する能力です。EC サイトのセール時のような短期的なアクセス急増に備えて事前に最大容量を確保する必要がなく、必要な分だけ動的に確保できます。
リージョンとアベイラビリティーゾーン
リージョンは地理的に独立した AWS の拠点で、各リージョンには 3 つ以上のアベイラビリティーゾーン (AZ) があります。AZ は物理的に離れたデータセンター群で、AZ をまたいで構成すれば 1 箇所の障害で全停止することを防げます。
エッジロケーション
CloudFront などのコンテンツ配信ネットワーク (CDN) で使われる、世界中に分散した拠点です。ユーザーから物理的に近い場所にコンテンツをキャッシュすることで、表示速度の向上とオリジンサーバーの負荷軽減を実現します。
高可用性と耐障害性の違い
高可用性 (HA) は「サービスがダウンしている時間が短いこと」、耐障害性 (FT) は「障害発生中もサービスが継続できること」です。例えばマルチ AZ の RDS は HA、リアルタイムで複数 AZ に書き込む構成は FT に近づきます。
Well-Architected フレームワーク
AWS 上のシステム設計を評価するためのベストプラクティス集で、運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、持続可能性の 6 本の柱で構成されます。「どの柱に含まれるか / 含まれないか」を問う形で頻出するため、6 本を正確に覚えておきましょう。
→ Well-Architected フレームワークの全体像 / → Well-Architected レビューの頻出指摘
AWS CAF と移行戦略 (7 つの R)
AWS CAF (Cloud Adoption Framework) は、ビジネス・人材・ガバナンス・プラットフォーム・セキュリティ・オペレーションの 6 つの視点から組織のクラウド移行準備を評価する枠組みです。個々のシステムの移行方式は「7 つの R」(リタイア、リテイン、リホスト、リロケート、リパーチェス、リプラットフォーム、リファクタリング) から選びます。移行の財務面では、設備投資 (CapEx) を運用費 (OpEx) へ転換できる点が代表的な利点です。
理解度チェック
学んだ内容を 5 問で確認しましょう