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AWS Outposts

AWS のインフラとサービスをオンプレミスに拡張するハイブリッドクラウドサービス

何ができるか

AWS Outposts は、AWS のインフラストラクチャ、サービス、API、ツールをオンプレミスのデータセンターやコロケーション施設に物理的に設置するサービスです。AWS が設計・製造したラックまたはサーバーが顧客の施設に配送・設置され、AWS リージョンとシームレスに接続されます。EC2、EBS、S3、ECS、EKS、RDS など主要な AWS サービスをオンプレミスで実行でき、AWS マネジメントコンソールや API から一元管理できます。

どのような場面で使うか

データレジデンシー要件によりデータを国内に保持する必要がある場合、低レイテンシが求められるリアルタイム処理、工場や店舗などエッジロケーションでのローカルデータ処理、既存のオンプレミスシステムとの密結合が必要なハイブリッドワークロード、段階的なクラウド移行の中間ステップなど、オンプレミスでの AWS サービス利用が必要な場面で活用されています。 この分野について体系的に学びたい方は、関連書籍 (Amazon) も参考になります。

身近な例え

出張所に例えるとわかりやすいでしょう。本社 (AWS リージョン) と同じ業務システムや手続き (API) を、地方の出張所 (オンプレミス) でもそのまま利用できます。出張所の設備は本社が管理・保守し、本社のネットワークに常時接続されているため、どちらで仕事をしても同じ体験が得られます。

Outposts とは

AWS Outposts は、真のハイブリッドクラウド体験を提供するサービスです。従来のハイブリッドクラウドでは、オンプレミスとクラウドで異なるツールや API を使い分ける必要がありましたが、Outposts ではオンプレミスでも AWS と同一の API、コンソール、CLI を使用できます。Outposts ラック (42U フルラック) と Outposts サーバー (1U/2U サーバー) の 2 つの形態があり、必要な規模に応じて選択できます。AWS が機器の配送、設置、保守、ソフトウェアアップデートをすべて担当します。

利用可能なサービスとアーキテクチャ

Outposts 上では EC2 インスタンス、EBS ボリューム、S3 on Outposts、ECS、EKS、RDS、ElastiCache、EMR など多数の AWS サービスが利用可能です。Outposts は親リージョンの VPC のサブネットとして構成されるため、オンプレミスのリソースとリージョンのリソースが同一 VPC 内で通信できます。AWS Direct Connect や VPN を通じてリージョンとの接続が維持され、IAM による認証・認可やCloudWatch による監視もリージョンと統合されています。

導入の検討ポイント

Outposts の導入にあたっては、いくつかの検討事項があります。まず、設置場所の電力、冷却、ネットワーク接続の要件を満たす必要があります。Outposts ラックは約 20.5 kVA の電力と適切な空調を必要とします。リージョンとの接続が切断された場合、ローカルで実行中のインスタンスは継続動作しますが、新規インスタンスの起動や API 呼び出しは制限されます。料金は 3 年間のサブスクリプション (全額前払い、一部前払い、前払いなし) で、オンデマンドの従量課金とは異なる点に注意が必要です。

Azure・オンプレミスとの比較

Azure の対応サービス Azure Stack Hub
オンプレミスでの対応手段 VMware vSphere、OpenStack

AWS の優位点

  • AWS リージョンと同一の API、コンソール、CLI をオンプレミスで利用でき、クラウドとオンプレミスで統一された運用体験を実現できる
  • AWS が機器の配送から設置、保守、ソフトウェアアップデートまですべてを担当するため、オンプレミスのハードウェア管理負荷を大幅に削減できる
  • 親リージョンの VPC サブネットとして構成されるため、オンプレミスとクラウドのリソースがシームレスに通信でき、ハイブリッドアーキテクチャの構築が容易になる

注意点

  • Outposts は 3 年間のサブスクリプション契約が必要なため、短期的な利用には向かず、長期的なオンプレミス要件がある場合に検討すること
  • リージョンとの接続が切断された場合の動作制限を理解し、ネットワーク冗長化の設計を事前に行うことが重要

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