AWS Data Exchange
サードパーティのデータセットを AWS Marketplace 経由でサブスクライブし、S3 や Redshift に直接取り込むデータ流通サービス
概要
AWS Data Exchange は、サードパーティのデータプロバイダーが公開するデータセットを AWS Marketplace 経由で検索 / サブスクライブし、S3 バケットや Redshift クラスターに直接取り込めるデータ流通プラットフォームです。金融市場データ、気象データ、地理空間データ、ヘルスケアデータなど 3,000 以上のデータ製品が提供されており、データの取得 / 更新を API やイベント駆動で自動化できます。データプロバイダーとしてデータを公開 / 販売する機能も備えています。
データセットとリビジョンの配信モデル
Data Exchange のデータ構造は、データセット、リビジョン、アセットの 3 層で構成されます。データセットは論理的なデータの単位 (例: 日次株価データ) で、リビジョンはその時点のスナップショット (例: 2026 年 3 月分) を表し、アセットはリビジョン内の個別ファイル (例: CSV、Parquet) です。プロバイダーが新しいリビジョンを公開すると、サブスクライバーは自動的にそのリビジョンにアクセスできるようになります。AWS のドキュメントでは、データセットの種類としてファイル (S3 スナップショット)、API、Amazon Redshift データシェア、Amazon S3 データアクセス、AWS Lake Formation データ許可 (プレビュー) の 5 種類が挙げられており (2026 年 10 月時点)、データの性質と利用パターンに応じて選択します。ファイルはバッチ分析向けです。EventBridge との統合により、新しいリビジョンが公開されたタイミングで Lambda 関数をトリガーし、データの取り込みパイプラインを自動実行する構成が構築できます。
プロバイダーとしてのデータ公開フロー
Data Exchange ではデータの消費者だけでなく、プロバイダーとしてデータを公開 / 販売することも可能です。データ製品の公開フローは、まずデータセットを作成してアセットをアップロードし、リビジョンを確定させます。次に AWS Marketplace にデータ製品として登録し、価格設定 (月額サブスクリプション、年額、無料) と利用規約を定義します。Marketplace の審査を通過すると、全 AWS ユーザーがデータ製品を検索 / サブスクライブできるようになります。プロバイダーは更新頻度 (日次、週次、月次) をコミットし、スケジュールに従って新しいリビジョンを公開します。リビジョンの公開は API で自動化でき、データパイプラインの最終ステップとして組み込めます。サブスクリプション管理では、誰がデータにアクセスしているかを追跡でき、利用状況レポートで収益を確認できます。プライベートデータ製品として特定の AWS アカウントにのみ公開する機能もあり、グループ企業間やパートナー間のデータ共有に使えます。
S3 / Redshift / API 経由のデータ取得パターン
サブスクライバーがデータを取得する代表的な方法の 1 つは、S3 エクスポートジョブです。サブスクライブしたデータセットのリビジョンを指定し、自分の S3 バケットにアセットをエクスポートします。エクスポートジョブは非同期で実行されます。新しいリビジョンを自分の S3 バケットへ自動でエクスポートする設定 (自動エクスポート) では、ジョブの完了と失敗が EventBridge のイベントとして通知されるため、後続の ETL 処理を自動で起動できます。Redshift データシェアタイプのデータ製品では、プロバイダーの Redshift クラスターからデータを直接クエリでき、データのコピーが不要です。分析ワークロードでは、Redshift Spectrum 経由で S3 にエクスポートしたデータと Redshift データシェアのデータを結合するクエリも実行できます。API タイプのデータ製品では、サブスクライバーが Data Exchange の管理するエンドポイントを呼び出し、その呼び出しがプロバイダーの API (API Gateway) へ中継されます。為替レートや株価のように、リクエストのたびにデータを取得したいユースケースに向きます。Lake Formation データ許可タイプ (プレビュー) では、プロバイダーの Lake Formation データレイクにあるデータへのアクセス権を受け取り、自分の環境からクエリできます。
参考資料 (AWS 公式)
本ページの一次情報は AWS 公式サイトと公式ドキュメントです。最新の仕様と料金は次の公式ページで確認できます。
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