AWS Direct Connect

オンプレミス環境と AWS を専用線で接続し、インターネットを経由しない安定した低レイテンシのネットワーク接続を提供するサービス

概要

AWS Direct Connect は、オンプレミスのデータセンターやオフィスと AWS クラウドを専用のネットワーク接続で結ぶサービスです。インターネットを経由しないため、一貫したネットワーク帯域幅と低レイテンシを実現し、大量のデータ転送やレイテンシに敏感なワークロードに適しています。接続帯域はホスト接続の 50 Mbps から専用接続の 400 Gbps まで選択でき、1 つの接続で複数の VPC やオンプレミスネットワークに仮想インターフェース (VIF) を通じてアクセスできます。Direct Connect Gateway を使えば、1 つの Direct Connect 接続から複数のリージョンの VPC にアクセスすることも可能です。データ転送料金はインターネット経由より安価で、大量のデータを定常的に転送する場合にコストメリットがあります。冗長性を確保するために、2 つの異なるロケーションからの接続や、VPN バックアップとの併用が推奨されます。

専用接続とホスト接続の選択

Direct Connect には専用接続とホスト接続の 2 つの方式があります。専用接続は 1 Gbps、10 Gbps、100 Gbps、400 Gbps の帯域で、AWS Direct Connect ロケーション (データセンター) に物理ポートを確保します。100 Gbps と 400 Gbps は対応する光インターフェースを備えたロケーションでのみ提供されるため、利用したい帯域が希望のロケーションで選べるかを先に確認します。大量のデータ転送が必要な企業向けで、開通までに数週間から数か月かかります。ホスト接続は AWS Direct Connect パートナー経由で提供され、50 Mbps から 25 Gbps の帯域を選択できます。25 Gbps は 100 Gbps ポートを備えたロケーションのパートナーに限られるため、選択肢はロケーションとパートナーによって変わります。パートナーの既存インフラを利用するため、専用接続より短期間で開通でき、小規模な帯域から始められます。料金面では、専用接続の 1 Gbps ポートが月額約 220 ドル (東京) + データ転送料金です (2026 年 8 月時点)。Azure ExpressRoute で同等帯域を Standard・従量課金 (Metered) 前提で構成した場合、同時点の東京の回線料金は月額約 436 ドルです。ただし両者は課金体系が異なり、Direct Connect がポートの時間課金 + アウトバウンドのデータ転送料金である一方、ExpressRoute は回線料金にデータプラン (Metered または Unlimited) を組み合わせる形を取ります。ポート単体の単価だけでなく、想定トラフィック量とプランの組み合わせまで含めて総額を比較してください。

仮想インターフェースと Direct Connect Gateway

仮想インターフェース (VIF) は 1 つの物理接続を論理的に分割し、異なる用途に振り分ける仕組みです。パブリック VIF は S3 や DynamoDB などの AWS パブリックサービスへのアクセスに使い、プライベート VIF は VPC 内のリソースへの直接アクセスに使います。トランジット VIF は Transit Gateway 経由で複数の VPC に接続する場合に選択します。Direct Connect Gateway を使えば、1 つの Direct Connect 接続から複数のリージョンの VPC にアクセスすることも可能で、グローバルに展開する企業のハブ拠点から各リージョンの VPC に効率的に接続できます。SiteLink 機能を有効にすると、Direct Connect ロケーション間の直接通信が可能になり、オンプレミスの拠点間通信を AWS のバックボーンネットワーク経由で行う構成も実現できます。

冗長構成と VPN バックアップ

Direct Connect の本番運用では、単一障害点を排除する冗長構成が必須です。最低でも 2 つの異なるロケーションに接続を確保し、BGP のルーティング設定でアクティブ/パッシブまたはアクティブ/アクティブの切り替えを実現します。高可用性が求められる場合は、Direct Connect と Site-to-Site VPN を組み合わせたフェイルオーバー構成も有効です。Direct Connect が障害で切断された際に VPN に自動的にフェイルオーバーし、復旧後は Direct Connect に戻る構成を BGP の AS パス長やローカルプリファレンスで制御します。Link Aggregation Group (LAG) を使えば、複数の接続を束ねてスループットを向上させつつ、1 本が障害になっても残りの接続で通信を継続できます。コスト面では、冗長構成はポート料金が 2 倍になりますが、ダウンタイムによるビジネス損失と比較して判断します。開発環境では VPN のみ、本番環境では Direct Connect + VPN バックアップという使い分けも現実的な選択肢です。

参考資料 (AWS 公式)

本ページの一次情報は AWS 公式サイトおよび公式ドキュメントです。最新の仕様 / 料金は次の公式ページで確認できます。

本ページと公式ドキュメントの記述が食い違う場合は、公式ドキュメントを正としてください。

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