Amazon ElastiCache のキャッシュ戦略 - Redis と Memcached の使い分け
ElastiCache の Redis と Memcached の特性比較、キャッシュパターン、クラスター設計のベストプラクティスを解説します。
Redis と Memcached の使い分け
Redis はシングルスレッドのイベントループモデルで動作し、文字列、ハッシュ、リスト、セット、Sorted Set、Streams などの豊富なデータ構造を提供します。AOF (Append Only File) と RDB スナップショットによるデータ永続化、自動フェイルオーバー付きのレプリケーション、Pub/Sub メッセージングをサポートします。Memcached はマルチスレッドアーキテクチャで、シンプルなキー・バリューのキャッシュに特化しています。ノード追加による水平スケーリングが容易で、データ永続化やレプリケーションが不要な純粋なキャッシュ用途に適しています。
キャッシュパターンとクラスター設計
Lazy Loading (Cache-Aside) パターンではアプリケーションがまずキャッシュを参照し、キャッシュミス時にデータベースから取得してキャッシュに書き込みます。TTL を設定してデータの鮮度を管理します。Write-Through パターンではデータベースへの書き込みと同時にキャッシュを更新し、常に最新データをキャッシュに保持します。Redis クラスターモードではハッシュスロットベースのシャーディングでデータを分散し、各シャードに最大 5 つの読み取りレプリカを配置できます。ノードタイプの選択では、メモリ最適化の r 系インスタンスがキャッシュワークロードに適しています。
まとめ
ElastiCache は Redis と Memcached の 2 つのエンジンを提供し、ワークロードの要件に応じて使い分けます。Lazy Loading と Write-Through のキャッシュパターンを適切に選択し、クラスターモードのシャーディングと読み取りレプリカでスケーラビリティを確保することが設計のポイントです。
AWS の優位点
- Redis はデータ永続化、レプリケーション、Pub/Sub、Sorted Set などの高度なデータ構造をサポートし、セッション管理やリーダーボードに適している
- Memcached はマルチスレッドアーキテクチャでシンプルなキー・バリューキャッシュに特化し、水平スケーリングが容易である
- Lazy Loading パターンではキャッシュミス時にデータソースから取得してキャッシュに書き込み、Write-Through パターンではデータ更新時に同時にキャッシュを更新する
- Redis クラスターモードでデータを最大 500 シャードに分散し、読み取りレプリカで読み取りスループットをスケールできる
- Global Datastore でリージョン間のレプリケーションを行い、1 秒未満のクロスリージョン読み取りとディザスタリカバリを実現できる
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