リレーショナルデータベース - Amazon RDS と Aurora で実現する高可用性データベース

Amazon RDS と Aurora を活用したリレーショナルデータベースの構築方法を解説します。

マネージドリレーショナルデータベースの価値

リレーショナルデータベースは企業の基幹システムの中核を担い、トランザクション処理、データ整合性、複雑なクエリ処理において不可欠な存在です。Amazon RDS はフルマネージドのリレーショナルデータベースサービスで、MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle、SQL Server の 5 つのエンジンをサポートします。オンプレミスでのデータベース運用では、ハードウェアの調達、OS のインストール、DB エンジンのセットアップ、パッチ適用、バックアップ、レプリケーション構成など膨大な運用タスクが発生し、DBA の工数の約 70% がこれらの定型作業に費やされるとされています。RDS はこれらの運用タスクを AWS が管理し、DBA はスキーマ設計やクエリ最適化などの付加価値の高い業務に集中できます。自動バックアップは最大 35 日間の保持期間で、任意の時点への復元 (PITR) が 5 分間隔で可能です。

Amazon Aurora の革新的アーキテクチャ

Amazon Aurora は AWS が独自に開発したクラウドネイティブなリレーショナルデータベースで、MySQL の最大 5 倍、PostgreSQL の最大 3 倍のスループットを実現します。Aurora のストレージは 3 つのアベイラビリティゾーンにまたがる 6 つのコピーに自動的にレプリケートされ、最大 128 TB まで自動拡張します。この分散ストレージアーキテクチャにより、ストレージの事前プロビジョニングが不要で、使用した分だけの課金となります。Aurora は最大 15 のリードレプリカをサポートし、レプリケーション遅延は通常 20 ミリ秒未満です。フェイルオーバーは 30 秒以内に完了し、アプリケーションの可用性を最大化します。以下は RDS for PostgreSQL インスタンスを作成する CLI コマンドの例です。 aws rds create-db-instance \ --db-instance-identifier my-postgres-db \ --db-instance-class db.r6g.large \ --engine postgres \ --engine-version 15.4 \ --master-username admin \ --master-user-password MySecurePassword123 \ --allocated-storage 100 \ --multi-az \ --storage-encrypted

Aurora Serverless v2 によるサーバーレスデータベース

Aurora Serverless v2 は、ワークロードの需要に応じてデータベースのキャパシティを自動的にスケールするサーバーレスオプションです。 0.5 ACU (Aurora Capacity Unit) から最大 256 ACU まで、 0.5 ACU 単位の細かい粒度でスケールし、需要の変動に即座に対応します。開発環境やテスト環境では、アイドル時のコストを最小限に抑えつつ、負荷テスト時には自動的にスケールアップします。 Aurora Serverless v2 はプロビジョンドインスタンスと同一クラスタ内で混在でき、読み取りワークロードをサーバーレスのリードレプリカに分散させるハイブリッド構成も可能です。オンプレミスのデータベースでは、ピーク時に合わせたハードウェアを常時稼働させる必要があり、平均利用率が 20-30% にとどまることも珍しくありません。 Aurora Serverless v2 は使用した ACU 秒単位の課金で、リソースの無駄を最小化します。 AWS データベースの設計と運用を深く理解するには、専門書籍 (Amazon)が役立ちます。

グローバル展開と災害対策

Aurora Global Database は、1 つのプライマリリージョンと最大 5 つのセカンダリリージョンにまたがるグローバルなデータベースクラスタを構築できます。セカンダリリージョンへのレプリケーション遅延は通常 1 秒未満で、リージョン障害時のフェイルオーバーは 1 分以内に完了します。これにより、RPO (目標復旧時点) 1 秒未満、RTO (目標復旧時間) 1 分未満の災害対策を実現できます。RDS のマルチ AZ 配置は、プライマリインスタンスの障害時にスタンバイインスタンスへ自動フェイルオーバーし、アプリケーションのダウンタイムを最小化します。RDS Proxy はデータベース接続のプーリングと管理を行い、Lambda などのサーバーレスアプリケーションからの大量の短命な接続を効率的に処理します。オンプレミスで同等の災害対策を構築するには、遠隔地のデータセンターとの専用線接続、レプリケーションソフトウェアの導入、フェイルオーバー手順の整備が必要で、数億円規模の投資が求められます。

RDS と Aurora の料金

RDS の db.r6g.large は 1 時間あたり約 0.252 ドル (月額約 181 ドル) です。Aurora は同等スペックで約 0.29 ドル/時ですが、最大 5 倍のスループットを提供します。ストレージは RDS の gp3 が 1 GB あたり月額約 0.08 ドル、Aurora は約 0.10 ドルです。リザーブドインスタンスで最大 72% の割引が適用されます。Aurora Serverless v2 は ACU (Aurora Capacity Unit) の従量課金で、1 ACU 時間あたり約 0.12 ドルです。

まとめ - リレーショナルデータベースの最適な選択

Amazon RDS と Aurora は、リレーショナルデータベースの運用を根本的に変革するサービスです。DBA の運用負荷を大幅に削減しつつ、エンタープライズグレードの可用性と耐久性を確保できます。MySQL/PostgreSQL 互換で高性能が必要な場合は Aurora、既存エンジンとの完全互換が必要な場合は RDS を選択します。