AWS DataSync

オンプレミスと AWS 間、または AWS サービス間のデータ転送を自動化および高速化するサービスで、NFS/SMB/HDFS/S3/EFS/FSx 間の転送をスケジュール実行できる

概要

AWS DataSync は、オンプレミスのストレージシステムと AWS ストレージサービス間、または AWS ストレージサービス同士のデータ転送を自動化するサービスです。NFS、SMB、HDFS、オブジェクトストレージからの転送に対応し、S3、EFS、FSx for Windows File Server、FSx for Lustre、FSx for OpenZFS、FSx for NetApp ONTAP への転送が可能です。専用のネットワークプロトコルにより、オープンソースツールと比較して最大 10 倍の転送速度を実現します。転送中のデータ検証、暗号化、帯域幅制限、スケジュール実行を標準で備えています。

エージェントの配置とネットワーク設計

オンプレミスから AWS へのデータ転送では、DataSync エージェントをオンプレミス環境にデプロイする必要があります。エージェントは VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、KVM 上の仮想マシンとして、または Amazon EC2 インスタンスとして実行できます。Basic モードのエージェントの VM は 4 vCPU、32 GB RAM が最小要件で、2,000 万を超えるファイルやディレクトリを扱うタスクでは 64 GB RAM が必要です (2026 年 10 月時点)。エージェントが DataSync と通信するサービスエンドポイントは、パブリック、FIPS、VPC (PrivateLink)、FIPS VPC の 4 種類から選べ、オンプレミスから VPC エンドポイントへは Direct Connect や VPN で接続します。帯域幅の上限はタスクの実行ごとに設定でき、実行中のタスクでも変更できます。同じアカウント内の AWS ストレージサービス間の転送 (例: S3 から EFS) ではエージェントは不要で、DataSync がマネージドに転送を実行します。

転送タスクの設計とデータ整合性の保証

DataSync のタスクは、ソースロケーション、デスティネーションロケーション、転送設定の 3 要素で構成されます。転送設定では、転送するデータのフィルタリング (include/exclude パターン)、ファイルメタデータの保持 (POSIX パーミッション、タイムスタンプ、所有者)、上書きポリシー (変更されたファイルのみ転送 or 全ファイル転送) を指定します。DataSync は転送中にチェックサムでデータの整合性を検証し、転送の終了時に行う追加の検証 (転送したデータだけ、全データ、検証なし) はタスクごとに選べます。数億ファイルの大規模転送では、タスクの実行に数時間から数日かかることがありますが、中断しても次回実行時に差分のみを転送するため、最初からやり直す必要はありません。スケジュール実行を設定すれば、日次 / 週次の定期同期を自動化できます (実行の間隔は最短 1 時間)。

移行シナリオ別の設計パターン

DataSync の典型的なユースケースは 3 つあります。第一に、オンプレミスの NFS/SMB ファイルサーバーから S3 または EFS へのマイグレーションです。初回のフルコピー後、カットオーバーまで差分同期を継続し、最終同期後にアプリケーションの接続先を切り替えます。ファイル数が数千万を超える場合は、ディレクトリ単位でタスクを分割して並列実行することで転送時間を短縮できます。第二に、ハイブリッドクラウドでの継続的なデータ同期です。オンプレミスで生成されるログやセンサーデータを定期的に S3 に転送し、Athena や EMR で分析するパターンが代表的です。第三に、AWS リージョン間やアカウント間のデータ転送です。DR (災害復旧) 用に別リージョンの S3 バケットにデータを複製する場合、S3 のクロスリージョンレプリケーションでは対応できないファイルシステム (EFS、FSx) のデータ転送に DataSync が有効です。Transfer Family (SFTP/FTPS) との違いとして、Transfer Family は SFTP や FTPS で外部の取引先とファイルをやり取りする用途、DataSync はストレージ間の大量データの転送と自動化を主な用途とします。

参考資料 (AWS 公式)

本ページの一次情報は AWS 公式サイトと公式ドキュメントです。最新の仕様と料金は次の公式ページで確認できます。

本ページと公式ドキュメントの記述が食い違う場合は、公式ドキュメントを正としてください。

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