AWS Entity Resolution
複数データソースに散在する顧客レコードを照合 / 統合し、統一的な顧客プロファイルを構築するマネージドサービス
概要
AWS Entity Resolution は、異なるデータソースに分散した顧客レコードを照合 (マッチング) し、同一エンティティを特定して統合するフルマネージドサービスです。CRM、EC サイト、コールセンターなど複数システムに散在する顧客データを、名前 / 住所 / メールアドレス / 電話番号などの属性を手がかりに名寄せします。ルールベースのマッチング (完全一致 / 部分一致の条件組み合わせ) と ML ベースのマッチング (機械学習による類似度判定) の両方を提供し、データ品質やユースケースに応じて使い分けられます。Glue Data Catalog や S3 のデータソースと直接連携し、ETL パイプラインの一部として組み込むことで、データウェアハウスへの投入前にレコードの重複排除と統合を自動化できます。
マッチングワークフローの設計
Entity Resolution では、Schema Mapping で入力データの項目を定義し、Matching Workflow でレコードを照合します。ID Mapping は、ソースのデータをターゲットの ID 体系へ変換する別のワークフローです。Schema Mapping では各データソースのカラムを標準属性 (名前、住所、電話番号、メールなど) にマッピングし、異なるスキーマのデータを統一的に扱えるようにします。Matching Workflow ではマッチングルールを定義し、どの属性の組み合わせで同一エンティティと判定するかを設定します。ルールベースでは「メールアドレスが完全一致」OR「電話番号が完全一致 AND 姓のフォネティック一致」のような複合条件を宣言的に記述できます。ML ベースのマッチングでは、事前に構成された ML モデルが名前 / メールアドレス / 電話番号 / 住所 / 生年月日の項目を使ってレコード全体を分析し、マッチグループごとに 0.0〜1.0 の信頼度スコアを付けます。処理結果は Match ID として各レコードに付与され、同一エンティティに属するレコード群を一意に識別できます。
データプロバイダーサービスとの連携
Entity Resolution は AWS Data Exchange 上のサードパーティデータプロバイダーと連携し、自社データを外部データで補完するエンリッチメント機能を提供します。対応するプロバイダーは LiveRamp / TransUnion / Unified ID 2.0 で (2026 年 10 月時点)、例えば TransUnion では 200 を超えるデータ属性で顧客レコードを補完できます。LiveRamp との ID Mapping では、顧客を表すトークンとして RampID を使うことで、広告プラットフォームと顧客データを直接共有せずに済みます。ID Namespace では ID Mapping のソースとターゲットを定義し、2 つの AWS アカウントの間でも ID を変換できます。Clean Rooms との組み合わせで、パートナー企業とのデータコラボレーションにも活用できます。
運用パターンとコスト最適化
Entity Resolution の料金は処理したレコード数に基づき、マッチしなかったレコードも対象になります (2026 年 10 月時点の料金ページ)。ルールベースのマッチングでは自動のインクリメンタル処理を選べ、S3 に新しいデータが入ると新しいレコードだけを既存のレコードと比較します (課金も差分のレコードだけ)。Glue ジョブと組み合わせて、S3 上の新規ファイル到着をトリガーに自動実行するイベントドリブンパイプラインを構築できます。マッチング精度のチューニングでは、False Positive (誤って同一と判定) と False Negative (同一なのに見逃し) のバランスを、ビジネス要件に応じて閾値調整します。
参考資料 (AWS 公式)
本ページの一次情報は AWS 公式サイトと公式ドキュメントです。最新の仕様と料金は次の公式ページで確認できます。
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