Amazon Lightsail

月額固定料金で仮想サーバー、ストレージ、ネットワークをパッケージ提供する、AWS の中で最もシンプルなクラウドサーバーサービス

概要

Amazon Lightsail は、AWS の豊富なサービス群の中でも特にシンプルさを重視した仮想プライベートサーバー (VPS) サービスです。パブリック IPv4 付きなら月額 5 ドル、IPv6 専用のバンドルなら月額 3.50 ドルからの固定料金プランで、仮想サーバー、SSD ストレージ、データ転送量、DNS 管理がパッケージとして提供されます (2026 年 8 月時点)。WordPress、LAMP スタック、Node.js、Django などのアプリケーションテンプレート (ブループリント) がプリインストールされており、数クリックで Web サイトやアプリケーションを立ち上げられます。EC2 のような細かなインスタンスタイプの選定やネットワーク設定が不要なため、AWS に不慣れなユーザーや小規模プロジェクトに向いています。事業が成長した際には、Lightsail のリソースを EC2 や RDS などの本格的な AWS サービスに移行できます。

月額固定料金のプラン構成と含まれるリソース

Lightsail の最大の特徴は予測可能な月額固定料金です (2026 年 8 月時点)。パブリック IPv4 付きの最小プランは月額 5 ドルで、512 MB メモリ、2 vCPU、20 GB SSD、1 TB のデータ転送量が含まれます。パブリック IPv4 を使わない構成なら、IPv6 専用のバンドルが月額 3.50 ドルから選べます。上位は汎用プランが月額 1,764 ドル (256 GB メモリ、64 vCPU) まで 11 段階、メモリ最適化プランは月額 2,344 ドル (512 GB メモリ、64 vCPU) まで用意されており、最上位バンドルのデータ転送量は月間 10 TB です。なおムンバイ、シドニー、ジャカルタ、マレーシア、香港、サンパウロの各リージョンでは含まれるデータ転送量が少なく設定されるため、リージョン別の料金表で確認します。EC2 では時間単位の従量課金に加え、EBS ストレージ、データ転送、Elastic IP などが個別に課金されるため、月額コストの予測が難しくなります。Lightsail はこれらをパッケージにまとめることで、請求書を見るまでコストが分からないという不安を解消しています。WordPress、LAMP、Node.js、Django などのブループリントがプリインストールされており、数クリックでアプリケーション環境を構築できます。ただし長く標準だった Bitnami パッケージ版のブループリントは提供終了が予告されており、2026 年 5 月 19 日をもって新しいバージョンの提供が終了し、2026 年 11 月 19 日には WordPress、WordPress Multisite、LAMP、Nginx、Node.js が新規作成時の選択肢から外れます (Joomla、Magento、MEAN、Drupal、GitLab、Redmine、Ghost、Django、PrestaShop は 2027 年 5 月 19 日)。稼働中のインスタンスは継続して利用でき、取得済みスナップショットからの復元も可能ですが、新規構築では AWS が提供する Lightsail パッケージ版のブループリントを選びます。仮想サーバーへの SSH/RDP アクセスが可能で OS レベルの自由度が高く、Azure App Service のようにランタイム環境のみを提供する PaaS とは性格が異なります。

ロードバランサーとマネージドデータベースによる高可用性構成

Lightsail は単体のインスタンスだけでなく、ロードバランサーとマネージドデータベースを組み合わせた高可用性構成も実現できます。Lightsail ロードバランサーは月額 18 ドルで HTTPS 終端と複数インスタンスへのトラフィック分散を提供し、SSL/TLS 証明書の自動更新も含まれます。マネージドデータベースは MySQL と PostgreSQL に対応し、自動バックアップ、フェイルオーバー、メンテナンスウィンドウが組み込まれています。コンテナサービスも利用可能で、Docker イメージをデプロイするだけで HTTPS エンドポイントが自動的に構成されます。これらの機能を組み合わせると、EC2 + ALB + RDS の構成に近いアーキテクチャを、Lightsail の統一されたコンソールとシンプルな料金体系で運用できます。

EC2 への移行パスと選定の分岐点

Lightsail は小規模な Web サイト、ブログ、開発環境、テスト環境に適しており、トラフィックが予測可能で月額コストを固定したい場合に有利です。ビジネスの成長に伴いリソース要件が Lightsail の上限を超えた場合は、スナップショットを EC2 AMI にエクスポートして EC2 に移行するパスが用意されています。移行を検討すべき分岐点は、Auto Scaling が必要になった場合、VPC ピアリングや Transit Gateway による複雑なネットワーク構成が必要になった場合、GPU インスタンスや特殊なインスタンスファミリーが必要になった場合です。逆に言えば、これらの要件がなければ Lightsail のシンプルさとコスト予測性は大きなメリットです。実務では、個人ブログや小規模な企業サイトを Lightsail で運用し、トラフィックが月間数十万 PV を超えた段階で EC2 + CloudFront の構成に移行するケースが多く見られます。

参考資料 (AWS 公式)

本ページの一次情報は AWS 公式サイトおよび公式ドキュメントです。最新の仕様 / 料金は次の公式ページで確認できます。

本ページと公式ドキュメントの記述が食い違う場合は、公式ドキュメントを正としてください。

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