AWS Storage Gateway 基本
オンプレミス環境と AWS ストレージをシームレスに接続するハイブリッドストレージサービス
何ができるか
AWS Storage Gateway は、オンプレミスのアプリケーションから AWS のクラウドストレージにシームレスにアクセスするためのハイブリッドストレージサービスです。オンプレミスに仮想マシンまたはハードウェアアプライアンスとしてゲートウェイをデプロイし、NFS、SMB、iSCSI などの標準的なストレージプロトコルを提供します。データはローカルにキャッシュされつつ、バックエンドで S3、EBS、Glacier に自動的に保存されます。
どのような場面で使うか
オンプレミスのバックアップデータを S3 や Glacier に自動転送する用途、既存のファイルサーバーのクラウド移行 (NFS/SMB 共有の S3 バックエンド化)、災害復旧のためのオフサイトバックアップ、オンプレミスアプリケーションからの低レイテンシなクラウドストレージアクセスなどに活用されています。
身近な例え
自宅の本棚と大型倉庫をつなぐ自動搬送システムに例えるとわかりやすいでしょう。よく読む本は手元の本棚 (ローカルキャッシュ) に置き、読み終わった本は自動的に倉庫 (S3) に送られます。倉庫の本が必要になったら、搬送システムが自動的に取り寄せてくれます。
AWS Storage Gateway とは
AWS Storage Gateway は、オンプレミス環境と AWS クラウドストレージの間を橋渡しするサービスです。多くの企業はオンプレミスに既存のアプリケーションやワークフローを持っており、すぐにすべてをクラウドに移行することは困難です。Storage Gateway はオンプレミスのアプリケーションに標準的なストレージインターフェースを提供しつつ、データを AWS のストレージサービスに保存します。アプリケーション側の変更を最小限に抑えながら、クラウドストレージの耐久性とスケーラビリティを活用できます。
ゲートウェイの種類
Storage Gateway には 3 つのタイプがあります。S3 File Gateway は NFS/SMB プロトコルでファイルを S3 に保存し、ファイルサーバーの代替として機能します。Volume Gateway は iSCSI プロトコルでブロックストレージを提供し、キャッシュ型 (頻繁にアクセスするデータをローカルにキャッシュ) と保管型 (全データをローカルに保持しつつ S3 にバックアップ) の 2 モードがあります。Tape Gateway は仮想テープライブラリ (VTL) として動作し、既存のバックアップソフトウェアから S3 Glacier にテープバックアップを保存します。
デプロイとキャッシュ
Storage Gateway はオンプレミスの VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、Linux KVM 上に仮想マシンとしてデプロイするか、AWS が提供するハードウェアアプライアンスを設置します。EC2 インスタンスとしてデプロイすることも可能です。ゲートウェイはローカルにキャッシュディスクを持ち、頻繁にアクセスされるデータを低レイテンシで提供します。データの転送は暗号化され、AWS との通信は SSL で保護されます。
注意点
- ゲートウェイの稼働時間とデータ転送量に基づいて課金される。加えてバックエンドの S3 や EBS の料金も発生する
- ローカルキャッシュのサイズが不足すると、頻繁にクラウドからデータを取得することになりパフォーマンスが低下する。キャッシュサイズは余裕を持って設定すること
- オンプレミスと AWS 間のネットワーク帯域幅がボトルネックになりやすい。大量データの初期転送には AWS Snowball の利用も検討すること
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