AI-DLC Unicorn Gym で体験する実践的ワークショップ - チーム開発で AI-DLC を身につける
3 日間のチーム開発で AI-DLC を体験する実践型ワークショップの全容。Mob Elaboration と Mob Construction の進め方、オープンソースワークフローの活用法を紹介します。
AI-DLC Unicorn Gym とは
AI-DLC Unicorn Gym は、AWS が主導する AI-Driven Development Lifecycle (AI-DLC) の実践型ワークショップです。参加者は部門横断のチームを編成し、3 日間にわたって実際のプロジェクトに AI-DLC 方法論を適用します。AI-DLC の理論を座学で学ぶのではなく、Kiro や Amazon Q Developer を使って実際にコードを書きながら、Inception・Construction・Operation の 3 フェーズを体験します。経験豊富なエンジニアから普段コードを書かないメンバーまで、経験レベルを問わず参加できる設計になっています。
3 日間の進め方
ワークショップは 3 日間で構成されます。初日は AI-DLC の基本概念と使用するツールの導入から始まり、チーム編成とプロジェクトの割り当てを行います。各チームは Inception フェーズとして、ビジネス要件を AI に入力し、Mob Elaboration でチーム全体が AI の提案する要件定義とユーザーストーリーを検証・修正します。2 日目は Construction フェーズに入り、AI が提案するアーキテクチャとコードを Mob Construction でチームが評価・承認しながら実装を進めます。ステアリングファイルや Project Rules を設定し、AI の出力品質を組織の基準に合わせる方法も実践します。3 日目は Operation フェーズとデプロイ、そして各チームの成果発表を行います。
オープンソースワークフローの活用
AI-DLC Unicorn Gym では、 AWS がオープンソースで公開している AI-DLC ワークフロー (awslabs/aidlc-workflows) を活用します。このリポジトリには Amazon Q Developer の Rules と Kiro のステアリングファイルが含まれており、 AI-DLC の 3 つの原則 (適応的なワークフロー選択、柔軟な深度調整、人間の監視の組み込み) を実装しています。プロジェクトの意図を自然言語で伝えるだけで、 AI がコンテキストを評価し、適切なフェーズと深度を自動選択します。単純なバグ修正には軽量なワークフローを、新機能開発には詳細な要件定義と設計を含むワークフローを適用するといった適応的な動作を体験できます。 開発ツールの知見を広げたい場合はAmazon の専門書も活用できます。
自社への展開と効果
ワークショップで得た知見は、自社の開発チームへの AI-DLC 導入に直接活用できます。ステアリングファイルのテンプレート、Mob Elaboration と Mob Construction の進行手順、チーム編成のベストプラクティスを持ち帰り、自社プロジェクトに適用します。AI-DLC の導入効果として、従来のスプリント (数週間) が Bolt (数時間から数日) に短縮され、開発速度が向上します。同時に、すべての意思決定に人間の承認が組み込まれているため、品質とガバナンスを維持できます。AWS アカウントチームに相談すれば、自社の要件に合わせたワークショップのカスタマイズも可能です。
3 つのフェーズの考え方
AI-DLC は開発を Inception・Construction・Operation の 3 つのフェーズで捉えます。Inception では、ビジネス要件を起点に、何を作るべきかを AI と対話しながら明確化します。Construction では、設計とコードを AI が提案し、チームが評価・修正しながら実装を進めます。Operation では、デプロイと運用、そして得られた知見の振り返りを行います。重要なのは、各フェーズを一律に重くするのではなく、課題の性質に応じて深さを調整することです。単純な修正は軽く、複雑な機能は丁寧に、と濃淡をつけることで、速度と品質を両立させます。
モブ形式で進める意義
ワークショップでは、要件定義をチーム全員で検証する Mob Elaboration や、実装をチームで評価しながら進める Mob Construction を実践します。AI が提案する成果物を一人で抱え込まず、複数の視点でレビューすることで、見落としや誤解を早期に発見できます。経験の浅いメンバーも議論に加わることで、暗黙知が共有され、チーム全体の理解が深まります。AI の出力をうのみにせず、集団で吟味するこの進め方は、品質の確保と知識の伝播を同時に実現します。協働を通じて、AI を使いこなす感覚をチームで身につけられます。
人間の承認を組み込む重要性
AI-DLC の根幹には、すべての重要な意思決定に人間の承認を挟むという原則があります。AI は提案と実装を高速に行いますが、その内容が要件に合致し、品質や規約を満たしているかを判断するのは人間の役割です。ステアリングファイルやルールで組織の基準をあらかじめ AI に伝えておけば、出力の方向性をそろえられます。そのうえで、各段階で人がレビューし承認することで、速度を活かしながらガバナンスと品質を保てます。自動化と統制のバランスをどう取るかを、ワークショップで実地に体得できます。
参加の準備とチーム編成
ワークショップを実りあるものにするには、事前の準備が役立ちます。利用するツールの環境を整え、題材とするプロジェクトの概要を把握しておくと、初日からスムーズに着手できます。チームは、エンジニアだけでなく、業務やプロダクトに詳しいメンバーを交えた部門横断の構成にすると、要件定義の議論が豊かになります。普段コードを書かない人も、AI との対話を通じて開発に参加できるのが AI-DLC の特徴です。多様な視点を持ち寄ることで、現実の課題に即した成果と、自社展開に向けた具体的な学びを得られます。
まとめ
AI-DLC Unicorn Gym は 3 日間のチーム開発ワークショップで、Amazon の AI-DLC (AI-assisted Development Lifecycle) を実践的に体験するプログラムです。オープンソースワークフローを活用した開発プロセスを習得し、自社のプロダクト開発に AI を組み込むための具体的な手法とチーム運営のノウハウを持ち帰ることができます。