AWS Batch でバッチコンピューティングを自動化 - ジョブキューとコンピューティング環境の設計
AWS Batch によるジョブのスケジューリング、Fargate/EC2 コンピューティング環境の使い分け、スポットインスタンスの活用を解説します。
AWS Batch の概要
AWS Batch はバッチコンピューティングジョブを効率的にスケジューリング・実行するマネージドサービスです。ゲノム解析、金融リスク計算、画像処理、ETL など大量の計算を並列実行するワークロードに適しています。Lambda の 15 分制限を超える長時間処理や、GPU を必要とする処理に対応します。
コンピューティング環境とコスト最適化
Fargate コンピューティング環境はサーバーレスでジョブを実行し、vCPU とメモリの割り当てだけを指定します。EC2 コンピューティング環境はインスタンスタイプの指定、GPU インスタンスの利用、スポットインスタンスによるコスト削減が可能です。配列ジョブは 1 つのジョブ定義から数千の子ジョブを生成し、各子ジョブに異なるパラメータ (配列インデックス) を渡して並列実行します。依存関係を定義してジョブの実行順序を制御し、前処理 → 本処理 → 後処理のパイプラインを構築します。
ジョブ依存関係とアレイジョブ
AWS Batch のジョブ依存関係を使うと、前段のジョブが成功した場合のみ後段のジョブを実行する DAG 的なワークフローを構築できます。依存関係は sequential (前のジョブ完了後に開始) と N_TO_N (アレイジョブの各子ジョブが対応する子ジョブに依存) の 2 種類です。アレイジョブは 1 つのジョブ定義から最大 10,000 の子ジョブを生成し、パラメータ化された大規模並列処理を実行します。各子ジョブは AWS_BATCH_JOB_ARRAY_INDEX 環境変数で自身のインデックスを取得し、処理対象のデータ範囲を決定します。 Step Functions との統合で、 Batch ジョブの完了を待機し、結果に応じて後続処理を分岐させる複雑なワークフローも実現できます。 バッチ処理に関する詳しい解説はAmazon の関連書籍でも確認できます。
Batch のコスト最適化
AWS Batch のコンピューティング環境でスポットインスタンスを指定すると、バッチ処理のコストを大幅に削減できます。BEST_FIT_PROGRESSIVE 配分戦略は、ジョブの vCPU とメモリ要件に最適なインスタンスタイプを自動選択し、リソースの無駄を最小化します。Fargate タイプのコンピューティング環境を選択すると、EC2 インスタンスの管理が不要になり、ジョブ実行時間分のみの課金で済みます。ジョブキューの優先度設定で、緊急度の高いジョブをオンデマンド環境に、バッチ処理をスポット環境に振り分けるコスト効率の高い運用が可能です。ジョブのタイムアウト設定で暴走ジョブを自動停止し、不要なコスト発生を防止します。
まとめ
AWS Batch はジョブキューとコンピューティング環境でバッチ処理を自動化するサービスです。ジョブ依存関係で DAG 的なワークフローを構築し、アレイジョブで最大 10,000 の並列処理を実行します。スポットインスタンスと Fargate の活用でコストを最適化し、Step Functions との統合で複雑なワークフローにも対応します。