AWS Backup

EC2、RDS、S3、DynamoDB など複数の AWS サービスのバックアップを一元管理し、ポリシーベースで自動化できるサービス

概要

AWS Backup は、AWS リソースのバックアップを一元的に管理 / 自動化するフルマネージドサービスです。EC2 インスタンス (EBS スナップショット)、RDS データベース、DynamoDB テーブル、EFS ファイルシステム、S3 バケット、FSx ファイルシステムなど、多数の AWS サービスに対応しています。バックアッププランでスケジュール、保持期間、ライフサイクル (コールドストレージへの移行) を定義し、組織全体に一貫したバックアップポリシーを適用できます。AWS Organizations と連携したクロスアカウントバックアップや、別リージョンへのコピーによる災害対策にも対応しています。

バックアッププランとボールトの設計

AWS Backup の中核概念はバックアッププラン (スケジュールと保持ルールの定義) とバックアップボールト (バックアップデータの保管先) です。バックアッププランでは、日次バックアップを 30 日保持、週次バックアップを 1 年保持、月次バックアップを 7 年保持のように、複数のルールを組み合わせてコンプライアンス要件に対応します。ボールトは KMS キーで暗号化され、ボールトアクセスポリシーで削除操作を制限できます。コスト最適化のポイントは、ライフサイクルルールでウォームストレージからコールドストレージへの移行を設定することです。コールドストレージはウォームストレージより単価が低い一方 (料金は AWS 公式の料金ページ参照)、最低保持期間が 90 日 (2026 年 9 月時点) あるため、短期間のバックアップには適しません。

Vault Lock によるランサムウェア対策

Vault Lock 機能は、WORM (Write Once Read Many) モードを有効にすることで、コンプライアンスモードでは管理者であってもバックアップの削除や保持期間の短縮ができなくなる仕組みです。ランサムウェアが管理者権限を奪取した場合でもバックアップデータを保護でき、リストアポイントを維持できます。料金はバックアップストレージ量やリストア量などに基づく従量課金で (詳細は AWS 公式の料金ページ参照)、Azure Backup とは課金モデルの構成が異なります。

Organizations 連携によるマルチアカウント一元管理

AWS Backup の実務導入で有効な手段の一つが、Organizations のバックアップポリシーとの組み合わせです。管理アカウントでバックアッププランを定義し、組織内の全アカウントに自動適用することで、新規アカウントが追加されても即座にバックアップポリシーが適用されます。クロスアカウントバックアップを Organizations 連携でネイティブにサポートしており、マルチアカウント環境での一元管理が容易です。災害対策では、本番リージョンのバックアップを別リージョンに自動コピーし、リストアのテストを定期的に実施する運用が推奨されます。リストアテストを怠ると、いざ復旧が必要な場面でバックアップデータが破損していたり、リストア手順が確立されていなかったりする事態に陥るため、四半期に 1 回程度のリストア訓練を組み込む運用が考えられます。

参考資料 (AWS 公式)

本ページの一次情報は AWS 公式サイトと公式ドキュメントです。最新の仕様と料金は次の公式ページで確認できます。

本ページと公式ドキュメントの記述が食い違う場合は、公式ドキュメントを正としてください。

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