AWS Mainframe Modernization
メインフレームの COBOL/PL/I ワークロードを AWS 上でリファクタリングまたはリプラットフォームし、レガシーシステムのモダナイゼーションを加速するサービス
概要
AWS Mainframe Modernization は、メインフレーム上で稼働する COBOL、PL/I、JCL などのレガシーワークロードを AWS に移行するためのプラットフォームサービスです。Micro Focus (リプラットフォーム) と Blu Age (リファクタリング) の 2 つのエンジンを提供し、既存コードをそのまま AWS 上で実行する方式と、Java/.NET に自動変換する方式を選択できます。CICS、IMS、バッチジョブなどのメインフレーム固有の実行環境をクラウド上でエミュレートまたは置換します。
リプラットフォームとリファクタリングの選択基準
リプラットフォーム (Micro Focus エンジン) は、既存の COBOL/PL/I コードを変更せずに AWS 上の互換実行環境で動作させるアプローチです。コード変更が不要なため移行リスクが低く、短期間で AWS への移行を完了できます。ただし、コードベースはレガシーのまま残るため、長期的な保守性の改善は限定的です。リファクタリング (Blu Age エンジン) は、COBOL コードを Java に自動変換し、CICS トランザクションを Spring Boot のマイクロサービスに、JCL バッチを Step Functions ワークフローに置換するアプローチです。変換後のコードはモダンな開発ツールチェーン (IDE、CI/CD、テストフレームワーク) で保守でき、クラウドネイティブなスケーラビリティを獲得します。選択基準として、ビジネスクリティカルで長期運用するシステムにはリファクタリング、EOL (End of Life) が近いシステムや段階的移行の初期フェーズにはリプラットフォームが適しています。
バッチジョブとトランザクション処理の移行
メインフレームのバッチ処理 (JCL ジョブ) は、Mainframe Modernization のバッチスケジューラーで管理されます。リプラットフォーム方式では JCL をそのまま解釈して実行し、リファクタリング方式では Step Functions と Lambda に変換されます。VSAM ファイルや DB2 データベースへのアクセスは、それぞれ S3/DynamoDB や RDS/Aurora に置換されます。CICS オンライントランザクションは、リプラットフォーム方式では Micro Focus の CICS エミュレーターで動作し、リファクタリング方式では REST API を持つ Spring Boot サービスに変換されます。BMS マップ (3270 端末画面) は HTML/React の Web UI に変換され、エンドユーザーはブラウザからモダンなインターフェースでアクセスできるようになります。データ移行では、メインフレームの EBCDIC エンコーディングから ASCII/UTF-8 への変換、パック十進数の処理、固定長レコードの解析が自動的に行われます。
テスト戦略と段階的移行パターン
メインフレームモダナイゼーションでは、移行後のシステムが元のシステムと同一の結果を返すことを保証する等価性テストが最重要です。Mainframe Modernization のテスト環境では、メインフレームの入力データを AWS 環境に投入し、出力結果をメインフレームの出力と自動比較するリグレッションテストフレームワークを提供します。数万件のテストケースを並列実行し、差異が検出された箇所を詳細レポートで報告します。段階的移行パターンとしては、Strangler Fig パターンが効果的です。API Gateway をフロントに配置し、新機能のリクエストは AWS 上のモダナイズされたサービスに、未移行機能のリクエストは Direct Connect 経由でメインフレームにルーティングします。機能単位で段階的に移行を進め、最終的にメインフレームへのトラフィックをゼロにする戦略です。