AWS Certified AI Business Strategist (AIB-C01)

AIB-C01 試験対策ノート

2026 年 10 月 時点の公式試験ガイドの出題範囲に基づく読了 約 30 分

AIB-C01 の出題範囲を、試験の直前 30 分で読み返せる分量にまとめた総まとめです。学習コースで 4 分野を一通り学び、練習問題で弱点を確かめた後の最終確認に使います。技術の実装より戦略の判断を問う試験なので、問題文の合図と正解の方向の表、誤答の型を先に読みます。

試験の数字と姿勢

  • 2026 年 10 月時点はベータ版で、問題数は 85 問、試験時間は 170 分であり、標準版 (試験ガイドでは 130 分) の開始日は未発表である。
  • 認定の区分は Business (Foundational などの段階とは別) で、試験の言語は英語と日本語である。
  • 結果は 100〜1,000 の換算点で示され、合格点は 700 点で、分野ごとの合格ラインはない補償型である。
  • 形式は択一と複数選択の 2 種類だけで、複数選択は正解を全部選んで初めて得点になり、無回答は不正解で推測の減点はない。
  • 配点は AI 戦略とビジネス価値の創造が 28% で最も大きく、残る 3 分野が 24% ずつである。
  • ベータ版は 1 回しか受けられない (不合格なら標準版で受け直す)。
  • 公式模試はベータ期間中は提供されないので、公式の練習問題集で形式に慣れる。
  • 技術の実装より戦略の判断を問う試験で、モデルやアルゴリズムの開発、ハイパーパラメータの調整、AWS のサービスの設定は範囲外である。
  • Amazon Bedrock、Amazon SageMaker AI、Amazon Quick を業務の水準で知り、AWS CAF、責任共有モデル、料金の型と費用の道具、AWS Marketplace も押さえる。

問題文の合図と正解の方向

問題文の合図正解の方向
最速で、運用の手間を最小にし、差別化の要らない業務買う (既製品、AWS Marketplace) とマネージド
専門性が足りない、期間が限られる、スキルを移したいパートナーと組む
中核の差別化、独自データ、厳しい規制Bedrock か SageMaker AI の上で作る
規則が明確で、完全な説明が要り、誤りが許されない規則に基づく自動化 (AI を使わない)
社内文書に基づく最新の回答と出典が欲しいRAG
口調、書式、専門分野の振る舞いを合わせたいファインチューニング
回答の質が低いときの最初の一手プロンプトの改善
効果を証明して予算を継続したい導入前のベースライン、ビジネスの KPI、運用費込みの ROI
早い段階で成否を見通したい先行指標の利用率 (導入率)、利用頻度、満足度、データの準備度
利用量の変動が大きい、散発的、PoC の段階使った分だけ払う消費型 (Bedrock のオンデマンド)
安定した大量の利用で量が予測できるインスタンス型か Provisioned Throughput と長期の約束
利用者の人数で費用を見通したいシート課金 (Amazon Quick)
即時でなくてよい、待てる処理を安くしたいBedrock の Flex かバッチ推論 (割引がある)
多少高くても応答の速さを優先したいBedrock の Priority
SageMaker AI の長期利用を割り引きたいSavings Plans
導入前に費用を見積もり、導入後に可視化したいAWS Pricing Calculator と AWS Cost Explorer
与信、採用、医療、法務、安全、取り消せない操作人の監督、説明可能性、監査
有害な出力、禁止の話題、個人情報、プロンプトへの攻撃Amazon Bedrock Guardrails
ガバナンスをどこまで厳しくするか決めたいリスク分類 (リスクに比例した統制)
AI の判断に誰が責任を持つか部門横断のガバナンス委員会と明確な説明責任
未承認の AI ツールが使われている (シャドー AI)承認、ブロック、評価中の公開分類と代替の提供と教育
AI マネジメントシステムの国際規格と認証ISO/IEC 42001 (ISO/IEC 23053 は ML を使う AI システムの枠組み)
責任ある AI をいつ検討するか計画の段階から全段階で
バイアスをいつ確認するかライフサイクルの全段階で継続して監視
自社の現在地に合った次の一手成熟度モデルで位置を測ってから選ぶ
データが部門ごとに散らばっているサイロの解消、事業側のデータオーナー、データカタログ
勢いが続かず部門がばらばら経営のスポンサー、リーダーの足並み、推進役の任命
現場が抵抗し、失敗を恐れている早期の参加、安全な実験の場、透明な対話、再教育
全社の AI リテラシーを上げたい階層別の研修、責任ある AI の研修、PoC やハッカソン
パイロットの次に何をするか短期の成果から再利用できる基盤を作り横展開
PoC は動いたので本番へ移したいガバナンス、監視、運用体制、SLA、費用の管理を揃える
変革をどう進めるか構想、実験、立ち上げ、拡大の段階を反復
利用者が AI と話していると分かるようにしたい透明性 (AI であることの開示)

誤答の型

  • 全社で一斉に導入する選択肢は切る。
  • ガバナンスを導入後に付け足す選択肢は切る。
  • 測定せずに導入する、またはベースラインを導入後に取る選択肢は切る。
  • 基盤モデルを自社で一から学習する選択肢は切る。
  • 経営層を巻き込まず IT 部門だけで決める選択肢は切る。
  • 技術チームが作って現場へ渡すだけの選択肢は切る。
  • AI で解く必要のない問題に AI を当てる選択肢は切る。
  • パイロットを放置する、または毎回ゼロから作り直す選択肢は切る。
  • 人を完全に外す選択肢も、全件を人が確認する選択肢も切る。
  • シャドー AI を全面禁止で片付ける選択肢は切る。
  • 最初から大きな長期契約を結ぶ選択肢は切る。
  • GPU などの設備を先に買う選択肢は切る。
  • モデルの精度をそのまま KPI にする選択肢は切る。
  • 運用費を含めずに ROI を出す選択肢は切る。
  • データサイエンティストを大量に採用すれば解決するとする選択肢は切る。
  • 従業員への影響を伏せたまま発表する選択肢は切る。
  • IAM のポリシーや暗号鍵の設定など技術の細部が答えになる選択肢は、出題範囲外なので切る。

分野別の要点

分野 1 AI の基礎とリテラシー (24%)

  • AI の中に ML と深層学習があり、生成 AI は文章や画像などのコンテンツを作る分野である。
  • アルゴリズムは学習の手順、モデルは学習の成果物、推論はモデルを使う工程で、日々の費用は推論で生じる。
  • 構造化データは表、非構造化データは文章や画像で、AI は過去のデータから学ぶので品質が結果を決め、過去の偏りも引き継ぐ。
  • ISO/IEC 22989 は AI の概念と用語、ISO/IEC 23053 は ML を使う AI システムの枠組み、ISO/IEC 42001 は認証を受けられる AI マネジメントシステムの規格である。
  • 規則が明確で説明と正確さが必須なら規則に基づく自動化を、例外が多く複雑なら AI を選び、データがない場面や費用が効果を上回る場面も AI は向かない。
  • AI エージェントは自律性、ツールの利用、エージェント同士の連携、オーケストレーションを備え、答えるだけのチャットボットと違って行動まで行う。
  • 本番の AI はデータや前提の変化で性能が落ちるモデルドリフトを起こすので、監視と更新を続ける。
  • AI ツールを承認、ブロック、評価中に分けて公開すると、シャドー AI のリスクを下げられる。
  • プロンプトは役割、文脈、指示、出力の形を具体的に書き、トークンの上限やコンテキストウィンドウを超えると回答の質が落ちる。
  • 回答の改善はプロンプトの工夫、RAG (知識を足す)、ファインチューニング (振る舞いを合わせる) の順に検討する。

分野 2 AI 戦略とビジネス価値の創造 (28%)

  • ユースケースは顧客対応、営業とマーケティング、研究開発、ソフトウェア開発などの部門ごとに探し、AI の能力を具体的な業務の成果に結び付ける。
  • 作る、買う、組むは予算、期間、社内の能力、ベンダーの提案、規制への対応で決め、差別化しない領域はマネージドと既製品を優先する。
  • 施策はビジネス価値、実現性、持続性、戦略との整合で順位を付け、拡大、一時停止、終了を判断する。
  • 業務を AI へ移すときや AI のプラットフォームを移るときは、事業の継続、費用の変化、データの準備、性能への影響を確かめる。
  • KPI には有形の効果 (コスト削減、売上の増加) と無形の効果 (顧客満足、従業員の生産性) があり、精度などの技術の指標はビジネスの成果に置き換えて測る。
  • ベースラインは導入前に測り、ROI は得られる効果の額から費用を引いて費用で割り、費用には推論、監視、再学習、ガバナンスの運用費を含める。
  • 先行指標は利用率 (導入率)、利用頻度、満足度、データの準備度で、売上や ROI は遅れて表れる遅行指標である。
  • 代表的な料金の型は消費型、インスタンス型、シート課金で、小さく始めて実測してから長期の約束に移る。
  • 業界の成熟度と競合の動きに合わせて投資の水準を決め、独自データと業務への組み込みで持続的な優位を作る。
  • AI でビジネスモデルを変える機会は、製品への AI の組み込み、サービス型の提供への移行、データを生かした新しいサービスにある。
  • 簡単な用途には用途に十分な品質の小さなモデルを選び、費用と応答の時間を減らすのが費用の最適化の基本である。

分野 3 AI ガバナンスと責任ある AI リーダーシップ (24%)

  • AWS の責任ある AI の 8 つの観点は、公平性、説明可能性、プライバシーとセキュリティ、安全性、制御可能性、真実性と堅牢性、ガバナンス、透明性である。
  • ビジネスの目標と責任ある AI の原則がぶつかるときは、影響を受ける人とリスクの大きさを基準に折り合いを決め、その判断を記録に残す。
  • 責任ある AI は導入後ではなく計画の段階から組み込み、設計の段階でガバナンスを効かせる。
  • 人の監督の代表的な型は実行前の承認、自動の実行の監視と介入、低リスクの定型だけの完全自動で、代表的な安全装置はハルシネーションの検知、ガードレール、エスカレーションの基準、監査の記録、停止の手段である。
  • ガバナンス体制は事業、技術、法務、コンプライアンスの部門横断で作り、説明責任の持ち主を明確にする。
  • リスク分類は影響を受ける人、重大さ、取り消せるか、自動化の度合い、データの機密性、規制で段階を決め、高リスクほど統制を厚くする。
  • 規制と枠組みの例は、EU AI 法 (禁止、高リスク、限定、最小)、NIST AI RMF (GOVERN 統治、MAP 把握、MEASURE 測定、MANAGE 管理)、ISO/IEC 42001 である。
  • 責任共有モデルでは、AWS がクラウドの基盤と基盤モデルの提供環境を守り、利用者がデータ、プロンプト、アクセス権、ガードレールの設定、出力の使い方に責任を持つ。
  • バイアスはライフサイクルの複数の段階で入り込むので、バイアスのドリフトを継続して監視する。
  • 有害な内容はガードレールで、知的財産のリスクは出力の確認と利用の方針で、ハルシネーション、データ品質の劣化、モデルドリフトといった信頼性のリスクは本番の監視と根拠の確認で抑える。

分野 4 ビジネス準備状況、リーダーシップ、AI トランスフォーメーション (24%)

  • 準備度は、リーダーの足並み、データの品質、文化の準備、技術の基盤、ガバナンスの枠組みといった代表的な観点で測る。
  • 成熟度モデルで実験の段階から全社規模の展開までのどこにいるかを測り、現在地に合った次の一手を選ぶ。
  • ギャップは人、プロセス、技術、ガバナンスの 4 領域で洗い出し、戦略の目標と成熟度に沿って投資の順序を決める。
  • データの準備度は品質、アクセスのしやすさ、サイロの影響で測り、データ戦略、事業側のデータオーナー、共有の枠組みが土台になる。
  • 経営のスポンサーとリーダーの足並みをそろえ、推進役を任命して全社の勢いを保つ。
  • 導入の時期、期待する成果、役割の変化を透明に伝え、リスク回避、変化への抵抗、失敗への恐れといった文化の壁にはリーダーが手を打つ。
  • 人材育成は PoC、ハッカソン、研修、責任ある AI の研修を組み合わせて全社のリテラシーを上げる。
  • 人の役割は手作業から AI の監督と協働へ移し、批判的思考、共感、創造性は人に残す。
  • 拡大は構想、実験、立ち上げ、拡大の段階を反復し、短期の成果から全社展開へ進め、CoE が部門横断の連携を支える。
  • 実験から本番へ移すときは、ガバナンスと運用の要件、継続的なフィードバック、成功指標を揃え、事業の継続と性能を確かめ続ける。
  • AWS CAF は、ビジネス、人材、ガバナンス、プラットフォーム、セキュリティ、オペレーションの 6 つの観点で、全社のクラウドと AI の導入の準備を整える枠組みである。

サービス名を一言で

名前一言
Amazon Bedrock既製の基盤モデルを API で使う生成 AI の基盤
Amazon Bedrock Guardrails有害な出力、禁止の話題、個人情報を止める
Amazon Bedrock Knowledge Bases自社データで RAG を組む
Amazon SageMaker AI独自の ML モデルを作り、学習し、運用する
Amazon Quick業務の利用者向けの AI アシスタントと分析 (シート課金)
AWS CAF全社の AI とクラウドの導入を計画し拡大する枠組み
責任共有モデルAWS はクラウドの基盤、利用者はクラウドの中のデータと設定に責任
Responsible AI LensWell-Architected の責任ある AI のベストプラクティス集
AWS Marketplace第三者の製品、モデル、エージェントの調達と請求の一本化
AWS Pricing Calculator導入前の費用の見積もり
AWS Cost Explorer導入後の費用の可視化と分析
Savings Plans長期の約束で SageMaker AI などの費用を割り引く (2026 年 10 月時点で Bedrock は対象外)
消費型の料金使った分だけ払う (Bedrock のオンデマンド)
インスタンス型の料金確保した容量を時間で払う (SageMaker AI、Provisioned Throughput)
シート課金利用者の人数で払う (Amazon Quick)
Bedrock の料金の区分2026 年 10 月時点で Standard / Flex / Priority / Reserved など。Flex は遅れを許す処理を安く、Priority は応答の速さを優先、Reserved は 1 分あたりのトークン数の処理量を確保

引っかけトップ 15

  1. AI によるビジネスモデルの変革は既存業務の効率化だけではなく、製品への AI の組み込みやサービス型への移行も含む。
  2. 知的財産のリスクは法務だけに任せるのではなく、出力の確認と利用の方針で業務の中でも抑え、有害な内容を止めるガードレールとは分けて考える。
  3. AI のプラットフォームの移行は機能の比較だけで決めるのではなく、事業の継続、費用、データ、性能への影響を確かめる。
  4. 節約した時間はそのまま効果ではなく、別の価値ある仕事へ回して初めて効果になる。
  5. 2026 年 10 月時点で Savings Plans の割引は SageMaker AI が対象で、Bedrock の費用はバッチ推論、Flex、Provisioned Throughput や Reserved で下げ、Priority は Standard より割高になる。Flex は 1 件ずつ呼び出す同期の処理で遅れを許す区分で、まとめて流す非同期の大量の処理はバッチ推論を選ぶ。
  6. 規則が明確な処理に AI を使うのは誤答で、規則に基づく自動化を選ぶ。
  7. 新しい知識の反映は RAG で、ファインチューニングは振る舞いを合わせる手段である。
  8. 基盤モデルを AWS が提供していても、ガードレールの設定と出力の使い方は AWS ではなく利用者の責任である。
  9. 先行指標は売上の代わりではなく、遅行指標が表れる前に成否を見通すための指標である。
  10. バイアスの確認は学習前の 1 回ではなく、ライフサイクルの全段階で続ける。
  11. 全件を経営が承認する形は広がらないので、リスクの段階に応じて部門横断の委員会から権限を委ねる。
  12. 成熟度に合わない一手 (実験の段階での全社展開) は誤答で、基盤づくりと短期の成果を並行して進める。
  13. データのオーナーは IT 部門ではなく事業側で、サイロは AI の前に解消する。
  14. PoC が動いただけでは本番ではなく、ガバナンス、監視、運用体制、SLA、費用の管理が揃って本番になる。
  15. CoE はすべてを作る部署ではなく、各部門を支える推進役 (ハブとスポーク) である。

直前チェック

  • 問題数、試験時間、合格点と、ベータ版と標準版の試験時間の違いを言える。
  • 4 分野の名前と配点を言える。
  • 2 つの問題形式と、複数選択の採点の仕方を言える。
  • 出題範囲外の作業を 3 つ言える。
  • 業務の水準で知っておく AWS のサービス 3 つと、それぞれの用途を言える。
  • アルゴリズム、モデル、学習、推論の違いを言える。
  • 規則に基づく自動化を選ぶ条件を 3 つ言える。
  • AI エージェントの特徴を 4 つ言える。
  • シャドー AI 対策の 3 つの分類を言える。
  • RAG とファインチューニングの使い分けと、改善を検討する順を言える。
  • ISO/IEC 22989、23053、42001 の役割の違いを言える。
  • 作る、買う、組むの判断材料を 4 つ言える。
  • 施策の拡大、一時停止、終了を決める観点を 4 つ言える。
  • 有形の効果と無形の効果を 2 つずつ言える。
  • ROI の計算と、費用に含める運用費を言える。
  • 先行指標を 3 つ言える。
  • 代表的な料金の型と、それぞれが向く場面を言える。
  • 責任ある AI の 8 つの観点を言える。
  • 代表的な人の監督の型と、それぞれが向く場面を言える。
  • 人の監督と組み合わせる安全装置を 4 つ言える。
  • リスク分類の軸を 4 つ言える。
  • EU AI 法の 4 段階と NIST AI RMF の 4 機能 (GOVERN / MAP / MEASURE / MANAGE) を言える。
  • 責任共有モデルで利用者が負う責任を 4 つ言える。
  • 準備度の代表的な観点を言える。
  • ギャップを洗い出す 4 領域を言える。
  • 文化の壁を 3 つと、リーダーの手立てを言える。
  • 変革の 4 つの段階を順に言える。
  • CoE の役割を 1 文で言える。
  • PoC から本番へ移る前に揃えるものを 4 つ言える。