AWS Savings Plans

1 年または 3 年の利用コミットメントと引き換えに EC2、Fargate、Lambda の料金を最大 72% 割引する柔軟なコスト削減モデル

概要

AWS Savings Plans は、一定額の利用を 1 年または 3 年間コミットすることで、オンデマンド料金から最大 72% の割引を受けられる料金モデルです。リザーブドインスタンス (RI) と異なり、インスタンスファミリー、リージョン、OS、テナンシーの変更に柔軟に対応できます。Compute Savings Plans、EC2 Instance Savings Plans、SageMaker Savings Plans の 3 種類があり、コミットメント額を超えた使用分はオンデマンド料金が適用されます。

3 種類の Savings Plans と RI との比較

Compute Savings Plans は最も柔軟なタイプで、EC2FargateLambda のすべてに適用されます。インスタンスファミリー、リージョン、OS、テナンシーを自由に変更しても割引が維持されるため、ワークロードの構成が頻繁に変わる環境に適しています。割引率は最大 66% で、3 タイプの中では最も低いですが、柔軟性とのトレードオフとして合理的です。EC2 Instance Savings Plans はリージョンとインスタンスファミリーを固定する代わりに、最大 72% の割引を提供します。同一ファミリー内であればインスタンスサイズ (m5.large → m5.2xlarge)、OS (Linux → Windows)、テナンシー (共有 → 専有) の変更は自由です。ワークロードが特定のリージョンとインスタンスファミリーに集中している場合に最もコスト効率が高くなります。RI との比較では、Standard RI は Savings Plans より割引率がわずかに高い場合がありますが、変更の柔軟性が大幅に劣ります。Convertible RI は Savings Plans と同等の柔軟性を持ちますが、交換手続きが煩雑です。新規購入では Savings Plans を第一選択とし、RI は既存の契約を維持する場合に限定するのが現在の推奨です。

コミットメント額の算出と購入戦略

Savings Plans の購入で最も重要なのは、適切なコミットメント額の算出です。コミットメント額が高すぎると未使用分が無駄になり、低すぎると割引の恩恵を最大化できません。Cost Explorer の Savings Plans 推奨機能は、過去の使用パターンを分析して最適なコミットメント額を提案します。推奨に従う場合でも、直近 30 日間だけでなく 7 日間と 60 日間の推奨も比較し、季節変動やプロジェクトの増減を考慮して判断します。購入戦略として、初回は推奨額の 70-80% 程度から始め、数か月の実績を見て追加購入する段階的アプローチが安全です。全額前払い、一部前払い、前払いなしの 3 つの支払いオプションがあり、全額前払いが最も割引率が高くなります。ただし、キャッシュフローの観点から前払いなしを選択し、割引率の差額 (通常 5-10%) を許容するケースも多いです。Compute Savings Plans と EC2 Instance Savings Plans は併用可能で、安定したベースラインには EC2 Instance Savings Plans (高割引)、変動分には Compute Savings Plans (高柔軟性) を割り当てるハイブリッド戦略が最もコスト効率に優れます。

利用率の監視と契約更新の判断

Savings Plans を購入した後は、利用率 (Utilization) とカバレッジ (Coverage) の 2 つの指標を継続的に監視します。利用率はコミットメント額に対する実際の使用額の割合で、100% に近いほど無駄がありません。利用率が 80% を下回る状態が続く場合は、次回の更新時にコミットメント額を引き下げるべきです。カバレッジはオンデマンド使用額全体に対する Savings Plans 適用額の割合で、カバレッジが低い場合は追加購入の余地があります。Budgets で Savings Plans 利用率予算とカバレッジ予算を設定し、閾値を下回った場合にアラートを受け取る構成が推奨されます。契約更新の判断では、1 年契約と 3 年契約の選択が重要です。3 年契約は割引率が高い (1 年契約比で約 15-20% 追加割引) ですが、3 年間のワークロード予測が必要です。クラウドネイティブへの移行途中でアーキテクチャが大きく変わる可能性がある場合は、1 年契約を繰り返す方がリスクが低くなります。Savings Plans は自動更新をオフにしておき、更新時期に改めて使用パターンを分析して最適なプランを再購入するのがベストプラクティスです。

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