AWS Compute Optimizer で実現するリソース最適化 - インスタンスのライトサイジング

CloudWatch メトリクスを ML で分析し、EC2・Lambda・EBS・ECS Fargate のリソースサイズを最適化する推奨を生成する。Graviton 移行推奨と拡張メトリクスによる精度向上の活用法を解説します。

Compute Optimizer の概要

AWS Compute OptimizerCloudWatch メトリクスを ML で分析し、EC2 インスタンス、Lambda 関数、EBS ボリューム、ECSFargate タスクのリソースサイズを最適化する推奨を提供するサービスです。過剰にプロビジョニングされたリソースを検出し、コスト削減の機会を金額で提示します。推奨は現在のパフォーマンスを維持しながらコストを削減する方向で生成されます。Trusted Advisor もリソースの最適化推奨を提供しますが、Compute Optimizer は ML ベースのより精緻な分析を行い、具体的なインスタンスタイプの提案まで踏み込みます。Cost Explorer の推奨はリザーブドインスタンスや Savings Plans の購入に特化しているのに対し、Compute Optimizer はリソースサイズの適正化に焦点を当てています。

推奨の種類と Graviton 移行

EC2 の推奨では、現在のインスタンスタイプと推奨タイプの比較、推定コスト削減額、パフォーマンスリスクが提示されます。推奨にはインスタンスファミリーの変更 (m5 → m6i)、サイズの変更 (xlarge → large)、Graviton への移行 (m5 → m6g) の 3 パターンがあります。Graviton インスタンスへの移行推奨は特に注目すべきで、x86 から Arm への移行で最大 40% のコスト削減が期待できます。Lambda の推奨ではメモリサイズの最適化が提示され、過剰なメモリ割り当てを削減できます。Lambda はメモリに比例して CPU が割り当てられるため、メモリの最適化は実行時間の短縮にもつながります。EBS の推奨では gp2 から gp3 への移行、IOPS とスループットの最適化が提案されます。gp3 は gp2 と比較してベースライン性能が高く、IOPS とスループットを独立して設定できるため、多くのケースでコスト削減が可能です。

拡張メトリクスと推奨の適用

標準では過去 14 日間の CloudWatch メトリクスに基づいて推奨が生成されますが、拡張インフラストラクチャメトリクスを有効にすると 93 日間のデータに基づくより精度の高い推奨が得られます。月末のバッチ処理や四半期決算時のピークなど、短期間では捉えられない利用パターンを考慮した推奨が生成されます。推奨にはパフォーマンスリスクが 1-5 のスケールで表示され、リスクが低い推奨から優先的に適用します。推奨の適用は手動で行う必要があるため、定期的 (月次) に推奨を確認し、段階的にインスタンスタイプを変更する運用を確立します。Organizations との統合で全アカウントの推奨を一元管理し、組織全体のコスト削減機会を可視化します。 リソース最適化の実践についてはAmazon の関連書籍でも確認できます。

Compute Optimizer の料金

Compute Optimizer の基本機能は無料で利用できます。拡張インフラストラクチャメトリクス (93 日間のメトリクス分析) は有料で、リソースあたり月額約 0.0003272 ドルです。1,000 台の EC2 インスタンスに拡張メトリクスを有効にしても月額約 0.33 ドルと非常に安価で、推奨の精度向上によるコスト削減効果を考えると有効化が強く推奨されます。外部メトリクスの取り込み (Datadog、Dynatrace などの APM ツールからのメトリクス) も追加料金なしで利用でき、CloudWatch 以外のメトリクスソースを推奨の入力に含めることができます。

まとめ

AWS Compute Optimizer は ML ベースのリソース最適化推奨で、パフォーマンスを維持しながらコストを削減するサービスです。EC2、Lambda、EBS、ECS Fargate のリソースサイズを分析し、Graviton 移行を含む具体的な推奨を提示します。拡張メトリクスで 93 日間のデータに基づく安定した推奨を取得し、段階的にリソースを適正化します。