AWS Migration Evaluator
オンプレミス環境のインベントリとリソース使用率を収集 / 分析し、AWS 移行時のコスト見積もりとビジネスケースを生成するサービス
概要
AWS Migration Evaluator (旧 TSO Logic) は、オンプレミスのサーバー環境を分析し、AWS への移行コストとビジネスケースを作成するサービスです。エージェントレスのデータコレクターをオンプレミスにデプロイし、サーバーの CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークの使用率を収集します。収集したデータを基に、適切な EC2 インスタンスタイプの推奨、ライセンスコストの最適化提案、オンプレミスと AWS のランニングコスト比較レポートを生成します。経営層への移行提案に必要な TCO (総所有コスト) 分析を数値で裏付けでき、移行プロジェクトの意思決定を加速します。無料で利用可能です。
データ収集の仕組みとエージェントレス設計
Migration Evaluator のデータ収集は、オンプレミスにデプロイするコレクターアプライアンスを通じて行われます。コレクターは VMware、Hyper-V、Windows、Linux、SQL Server などの環境に読み取り専用でアクセスし、エージェントレスで各サーバーの CPU 使用率、メモリ消費量、ディスク I/O、ネットワークトラフィックを継続的に収集します。収集したデータは暗号化され、HTTPS で Migration Evaluator が用意する暗号化された Amazon S3 バケットへ送られると FAQ に記載されています。既に CMDB (構成管理データベース) やサードパーティの監視ツールでインベントリデータを保有している場合は、CSV インポート機能を使って手動でデータを投入することもできます。インポートで機器の構成や使用率の欠けが見つかった場合は、業界のベンチマークが自動的に当てはめられると機能のページに記載されています。
ビジネスケースレポートの読み方と活用法
Migration Evaluator の評価の結果には、Quick Insights とビジネスケースがあります。Quick Insights は、ビジネス側の関係者向けの 1 ページの要約と、技術者向けのサーバーごとの詳細なデータで構成されます。FAQ によると、Quick Insights は Amazon EC2、Amazon EBS、OS のライセンスの費用を、AWS から 1 年間 / 前払いなしで購入した場合の見込みとして示します。追加の分析が必要な場合に依頼するビジネスケースには、ワークロードごとの購入方法の試算や、Windows と Microsoft SQL Server のライセンスの選択肢 (BYOL と License Included) の節が含まれると機能のページに記載されています。実務では、このレポートを最初に移行するサーバーの選定に使い、コスト削減効果が大きいワークロードから移行する進め方があります。結果は Quick Insights のレポート、ビジネスケース、詳細なエクスポートとして受け取ると導入の手順のページに記載されています。
Migration Hub との連携と移行プロジェクト全体での位置づけ
Migration Evaluator は AWS の移行フレームワークにおいて「評価 (Assess)」フェーズを担当し、後続の「動員 (Mobilize)」「移行 (Migrate)」フェーズへの入力になります。FAQ によると、Migration Evaluator 自体は依存関係のマッピングを行わず、依存関係のマッピングは Migration Hub で行います。コレクターで TCP の接続を任意で収集すると、Migration Hub でサーバー間の依存関係を可視化し、アプリケーションのグループを作れます。Migration Hub で作ったアプリケーションのグループは、Migration Evaluator の分析に含まれます。AWS は、Migration Hub が 2025 年 11 月 7 日の時点で新規顧客の受付を終えており、既存の顧客向けには進行中の移行のために運用を続けると告知しています。実務上の注意点として、Migration Evaluator の推奨はリソース使用率ベースのライトサイジングであり、アプリケーションの性能要件やライセンス制約は別途考慮が必要です。例えば、Oracle Database のライセンスは vCPU 数に依存するため、コスト最適化のためにインスタンスサイズを下げるとライセンス費用も変動します。
参考資料 (AWS 公式)
本ページの一次情報は AWS 公式サイトと公式ドキュメントです。最新の仕様と料金は次の公式ページで確認できます。
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